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動物由来感染症について – アイン動物病院

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「動物から人への感染症をまず知ってください。そして、動物の習性や生態を知ることで、新しい家族を迎える環境を提供できるかを考えてください。(こうしたら飼えるは疑ってかかってください。簡単に飼うことを考えないでください)」

『動物由来感染症』(人獣共通感染症、ズーノーシスなども同じです)は、動物から人に感染する病気のことをいいます。世界保健機関(WHO)では、ズーノーシスを「脊椎動物と人の間で自然に移行するすべての病気または感染(野生動物等では病気にならない場合もある)」と定義しています。私たちに身近な犬や猫も常在菌を持っています。動物たちにはなんでもない菌ですが、人間【飼い主】が感染すると場合によってはとても重い病気になったり、死に至るということもあります。これはとても稀なケースですが、どんなに可愛くても大切な子であっても、”人ではない”ということを意識してください。

近年、エキゾチックブームといわれ輸入動物が増えています。野生で生活していた生き物をそのまま一般家庭に持ち込んでいるのです。どんな感染症や、未知の病原体、人間に感染するとどうなるか、ほとんど分かっていません。飼い主さんは、今少なくともわかっている感染症と、世界中のどこかで常に発生しているという事実を知ってください。また、さまざまな病原菌を媒介するノミやマダニ、コウモリ、ネズミなどは私たちの生活環境に入っています。

ペットからの感染症は正しい飼い方、接し方でほとんど防ぐことができます。飼われる時はよく考え、かかりつけの動物病院を持ち、動物の健康管理、必要な予防やワクチン接種をきちんとし、楽しく過ごしてください。

原因は

よく知られている身近な病原菌と言えば、食中毒を起こす【サルモネラ菌】、【ノロウイルス】、【O157】などがあります。特に【O157】は重症患になることで新聞・TVで報道されます。ほとんどが肉や魚を生で食べることで感染しています。2012年からは焼き肉店での死亡事故もあり、ユッケなど、生肉の販売が禁止されました。しかし、【O157】も怖いのですが、生の牛や鳥(もちろん豚でも)の肝臓には、回虫の含虫卵が潜んでいる可能性があります。回虫が卵から出ても急性の症状を示さず、体の中に移行し病巣を作ります。そして、治療がとても困難なのです。新鮮だから、表面を削っているから安全ではないのです。

ノミや蚊が吸血する時に感染したり、【タンソ菌】のような土壌に常在する細菌からの感染もあります。

主な原因菌は

  1. インフルエンザ【インフルエンザウイルス】、狂犬病【狂犬病ウイルス】などの原因となるウイルス類。
  2. オウム病【オウム病クラミジア】、Q熱【Q熱リケッチア】などの原因となるリケッチア類。
  3. サルモネラ症【サルモネラ菌】、赤痢【赤痢菌】などの原因となる細菌類。
  4. 皮膚糸状菌症【白癬菌】などの原因となる真菌類。
  5. トキソプラズマ症【トキソプラズマ原虫】、バベシア症【バベシア原虫】などの原因となる原虫類。
  6. もっともなじみのあるノミやダニのような寄生虫。
  7. その他にはアメリカからの肉の輸入が制限された原因でもある“BSE”牛海綿状脳症など。

ウイルス性人獣共通感染症

ウイルスは他の生物に寄生し、その細胞を利用しながら増殖していきます。ウイルス自体に細胞はありませんが遺伝子をもっているので、寄生することで増やしていきます。生物のようですが、生物ではないとされています。

人獣共通感染症のウイルスには人に大きな影響を与えるものが多く存在します。ウイルス感染では、ウイルスを媒介する蚊やネズミなどの発生が原因となっています。

リケッチア/クラミジア性人獣共通感染症

細菌性人獣共通感染症

  • エールリキア症
  • パスツレラ症
  • エルシニア症
  • ブドウ球菌症
  • ブルセラ症
  • カンピロバクター症
  • ペスト
  • 回帰熱
  • Q熱
  • 結核
  • サルモネラ症
  • 細菌性赤痢
  • 炭疽
  • 野兎病
  • 大腸菌症
  • ライム病
  • 猫ひっかき病
  • レプトスピラ症

真菌性人獣共通感染症

  • カンジダ症
  • クリプトコックス症
  • ムーコル症
  • スポロトリックス症

寄生虫性人獣共通感染症