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オウム病 – アイン動物病院

オウム病

オウム病は、クラミジアによる人獣共通感染症です。飼育している鳥から複数の家族が同時に感染し発症することもあります。インフルエンザや風邪と誤診されやすく、風邪症状が見られた場合、医師に取りを飼育している旨を必ず報告することが大切です。

現在、推定約300 万世帯がトリを飼育しているとされています。

感染源としてトリとの接触歴は重要で、オウム病は本来トリの感染症で、保菌していても一見健常です。弱ったとき やヒナを育てる期間に排菌しやすく、セキセイインコなど国内生産されるトリにおける汚染がみられ、また、自然界のトリにも蔓延しています。

ドバトの保菌率は20%程度といわれ、ヒトへの感染源となります。

日本では、オウム病の感染源の60%がオウム・インコ類で、そのうち約3分の1はセキセイインコの調査結果があります。

オウム病は、4類感染症(全数把握)の届け出伝染病ですが、特殊な検査が必要なため実際にはかなりの症例が確定診断をされずに風症候群や異型肺炎とされていると思われます。

 

原因

原因はクラミジア(Chlamydia psittaci)です。細菌とウイルスの中間的性質を持つクラミジアは寄生性の微生物で2分裂増殖をします。

クラミジアには現在4つの種類がありそれぞれ宿主が異なります。自然宿主は哺乳類、鳥類、爬虫類、魚類と広く分布します。

このクラミジアは鳥類から鳥類へ感染を繰り返す病原体です。生きた細胞の中でしか生きていけません。

 

感染

保菌した鳥の羽毛や鼻汁、乾燥して粉末状になった排泄物を吸い込むことで、C. psittaci に感染します。口移しの給餌や噛まれて感染することも確認されています。

人、動物間(鳥類-セキセイインコ、オウム、フィンチ類、鶏、鳩、野生の鳥類-哺乳類―猫、犬、羊その他―)は水平感染(接触・飛沫・空気・媒介物)します。爬虫類、両生類、魚介類にまで感染することが判明しています。

 

症状

人、動物間(鳥類-セキセイインコ、オウム、フィンチ類、鶏、鳩、野生の鳥類-哺乳類―猫、犬、羊その他―)は水平感染(接触・飛沫・空気・媒介物)します。爬虫類、両生類、魚介類にまで感染することが判明しています。

鳥が感染していても通常はほとんど無症状です。オウム病は動物届出感染症において届出義務がありません。人では、4類感染症(全数把握)の届け出伝染病ですが、特殊な検査が必要なためかなりの症例が見過ごされていると推定されています。

また、一般家庭な健常な鳥でも約3割が保菌しており、一般家庭において死亡または衰弱したオウム類・インコ類から27%以上の感染が認められています。

 

人では潜伏期間は1~3週間。症状が軽ければ発熱(38℃~)だけで終わります。

しかし体力がなかったり他の微生物感染を伴うと気管支炎や肺炎などを起こします。

頭痛、咳、粘液性の痰、筋肉痛、関節痛などインフルエンザと同じような症状があります。

このようなインフルエンザのような症状の異型肺炎型では始め乾性、後で湿性となる発咳があります。

敗血症のような症状があると肝機能障害や多臓器不全を引起こすこともあります。

重症になると呼吸困難、髄膜炎などを発症し治療が遅れると死亡することがあります。

治療は長期化することが多く(6週間以上、症状が継続することもあります)、慢性化したり、感染を繰り返すような症例も見られます。

 

予防

新しく取りを迎えた場合、最低2週間は他の鳥と接触させずに健康状態を観察し、テトラサイクリン系抗菌薬の予防的投与を約45日間予防的投与が推奨されています。

飼育かごは常に清潔に保ち、粉末状排泄物を吸わない工夫をして、可能な限り屋内飼育をしてください。飼っている鳥がなくなった場合は、必ず火葬して供養してあげてください。

鳥に呼吸器症状が見られたら速やかに動物病院に相談し、人がインフルエンザや風症候群の症状が出た場合は、鳥を飼育していることを必ず医師に伝えることが大切です。