2019/12/15
カメを飼う前に
犬や猫のように抜毛や鳴き声の心配がないため人気のあるカメですが、身近に暮らしていてもその生態はまだわからないことが多く、人気のある輸入のカメについては食事や飼育環境のこともまだよくわかっていません。
特にカメなどの爬虫類はサルモネラ菌などのキャリアですし、他にもどんな菌を持っているかわからないことが多いのです。カメだけでなくあなたのためにも、飼育しようと思うカメについて、飼う前によく勉強しましょう。そして、生息地と同じ環境を用意できないのなら飼育はあきらめるくらいの考えが必要です。
カメを飼おうと思うなら、カメに気持ち良く過ごしてもらえるような環境を作り、爬虫類を診てくれる動物病院を飼う前に見つけてください。
- 飼うカメのことを知っていますか?
- どんなに大きくなっても飼うことができますか?
- カメの飼育にはお金がかかります。飼う余裕はありますか?
- 必要な栄養(食事)を与えることができますか?
- 毎日きちんと世話ができますか?
カメは爬虫類
堅い甲羅を持つカメが地球上に最初に現れたのは2億年以上前のことです。そして現在、カメはその姿をほとんど変えることなく生きています。
カメは恐竜と同じ爬虫類に属し、発達した4本の肢と甲羅を持つ、卵生の動物です。硬い甲羅が独特の防御システムとなり現在まで生き残れたのでしょう。中には人間による乱獲などで絶滅した種もありますし、絶滅が危ぶまれている種もあります。カメは約280種ほどあり、南極を除くすべての大陸と島、そして海にも生息しています。しかし生態系が多様で、どんな生き物かというと、一言では言えません。すべてのカメに共通しているのは体の大部分を占める甲羅をもつ初期の爬虫類に最も近い爬虫類ということです。
カメの生態
カメの生態はさまざまで成長すると体長50cmを超えるものもたくさんあります。飼い始めは小さくても2~3年もたてばびっくりするほど大きくなります。また、爬虫類を飼育するときは温度など生息していた環境と同じような環境を作ってやる必要があります。一般的に飼われているカメの環境温度は[24℃~28℃]、30℃を超えるとカメにとってかなりのストレスとなります。また、低くなると動作が鈍り、食欲も減退します。
爬虫類はサルモネラ菌のキャリア
爬虫類はサルモネラ菌のキャリアです。カメも爬虫類ですから当然持っています。サルモネラ菌による中毒の原因がカメというわけではありませんがサルモネラ菌を持っていることは知っておく必要があります。これは公衆衛生上でもとても重要なことです。ペットショップなどカメを販売する者は購入者に対してきちんとした飼育上の注意点を指導する義務があります。
カメの種類
カメは大きく2種類に分けられます。
- 潜頚亜目・・・
- 頭頚部を垂直方向に曲げて甲羅に入る(ほとんどのカメがこちらです)
- 曲頚亜目・・・
- 頭頚部を水平方向に曲げて甲羅に入る(ヨコクビガメとヘビクビガメです)
潜頚亜目のカメ | ||
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リクガメ上科 | リクガメ科 | インドリクガメ属、ホシガメ属、リクガメ属 |
ヌマガメ科 | アメリカヤマガメ属、アメリカハコガメ属、オナガヤマガメ属 カラグールガメ属、クサガメ属、クーターガメ属、マルガメ属 ジャノメイシガメ属、スライダーガメ属、ダイヤモンドガメ属 チズガメ属、ハコガメ属、ヒジリガメ属、ニシキガメ属 ミツウネヤマガメ属、ユーラシアイシガメ属 |
|
スッポン上科 | スッポン科 | インドシナスッポン属、キョクトウスッポン属、フタスッポン属 |
スッポンモドキ科 | スッポンモドキ属 | |
ドロガメ科 | ドロガメ属 | |
ウミガメ上科 | オサガメ科 | オサガメ属 |
ウミガメ科 | アオウミガメ属、アカウミガメ属、タイマイ属、ヒメウミガメ属 | |
カミツキガメ上科 | オオアタマガメ科 | オオアタマガメ属 |
カミツキガメ科 | カミツキガメ属、ワニガメ属 |
- ※曲頚亜目のヨコクビガメ科にはヨコクビガメ属、ヨツユビヨコクビガメ属、オオヨコクビガメ属があり、ヘビクビガメ科にはカエルガメ属、トゲヘビクビガメ属、ナガクビガメ属があります。
- ※赤字はワシントン条約附属書Ⅰに含まれる。青字はワシントン条約附属書Ⅱに含まれる。