2020/04/09
新型コロナウイルスについて
現在 わかっていること
人の呼吸器疾患として流行している新型コロナウイルスですが、この未知のウイルスが動物に及ぼす影響はまだよくわかっていません。新型コロナウイルスとその感染についての情報は日々 アップデートされています。
新型コロナウイルス感染症2019(COVID-19)は中国で最初に発見され、武漢市で感染が拡大しました。新種のコロナウイルスSARS-CoV-2により引き起こされ、コウモリがその感染源とあると推測されています。2019年末に発生し、全世界に感染が広がっています。
COVID-19を引きおこすSARS-CoV-2ウイルスは人の気道に感染する固有のコロナウイルスです。これまで確認されている人や動物のコロナウイルスとは異なります。コロナウイルスは、人だけではなく、他の哺乳動物や鳥類・爬虫類にも感染するものがあります。
アルファコロナウイルス属とベータコロナウイルス属は、哺乳動物に感染し、ガンマコロナウイルス属とデルタコロナウイルス属は鳥類と魚類に感染します。
犬や猫に呼吸器症状や消化器症状を引き起こすのはアルファコロナウイルス属です。 今回のCOVID-19の原因であるSARS-CoV-2はベータ―コロナウイルス属に分類されます。
現時点で、SARS-CoV-2が感染が確認されたのは香港で犬2頭、ペルーで猫が1頭です。どちらも、飼い主がSARS-CoV-2に感染していたとされています。 しかし、今のところCOVID-19は人の固有の感染症であり、人獣共通感染症とは考えられていません。
また、先日 アメリカの動物園で6頭のトラが、新型コロナウイルスに感染し症状を出したとの報告をしていますが、回復傾向にあり、現時点で動物から人への感染は確認されていません。
中国の研究チームが、猫同士の感染が成立するという研究結果を発表していますが、通常生活ではありえない高濃度の新型コロナウイルスを生後8か月の猫の鼻孔に強制噴射し人為的感染実験とされています。 フェレットも感染する可能性はあるものの症状をが出ることはなく、犬、豚、アヒルは感染しなかったと報告しています。
CDC(米国疾病対策センター)においても犬や猫がSARS-CoV-2を伝搬するとは考えていないようです。また、現在までに米国内での犬や猫やウサギの感染例の報告はありません。
香港での感染者の飼育犬からPCR検査でSARS-CoV-2の持続的弱陽性反応が認められた1例では、この犬には症状はなく住宅外で検疫隔離され陰性になり健康状態を確認されたうえで飼い主に戻されました。その2日後に亡くなったそうですが、飼い主さんが剖検を希望されなかったため死因は不明です。高齢(15歳?)で心臓疾患があったとされています。もう1頭の同居犬は一貫して陰性だったそうです。
香港ではもう一例、犬で弱陽性反応のじれが報告されていますが、こちらも犬には症状は出ていないとされています。
CDCでは、飼い主がCOVID-19と診断された場合、SARS-CoV-2の全容がわかるまで予防処置として犬や猫との接触を避けることを推奨しています。
一方、ペルーにおいて、COVID-19に感染した飼い主さんの猫が、呼吸器症状を示しSARS-CoV-2が陽性であったとのニュースがありますが、こちらに関しては詳細な情報がありません。