2019/10/01
皮膚の構造
3層で構成されています。
- 〇表皮→一般的に“肌”といわれているところで表皮の中でも角層、顆粒層、有棘層、基底層の4層に分けられます。
- 〇真皮→コラーゲン線維が主でヒアルロン酸もここにあります。
- 〇皮下組織→脂肪細胞の集合体
皮膚は紫外線など外からの刺激や細菌などの侵入を防いだりする重要な機能をもち、体の中で最も大きな臓器の一つです。
表皮の一番奥の層(基底層)では、常に新しい表皮細胞が作られています。古い表皮細胞は新しい表皮細胞により角層へと押し上げられ、角質細胞となって剥がれ落ちます。この一連の過程をターンオーバーといいます。
人の皮膚と犬の皮膚
犬の皮膚 | 人の皮膚 | |
---|---|---|
表皮の厚さ | 被毛部0.05~0.1㎜ | 0.2㎜ |
汗腺 | 主にアポクリン腺 (べたべたした汗) エクリン汗腺は 肉球と鼻先だけ |
主にエクリン腺 (水様の汗) |
皮膚のPH | 平均7.5 | 平均5.5 |
ターンオーバー | 3週間 | 4~6週間 |
皮膚は健康のバロメーター
犬の皮膚は人間の赤ちゃんよりも繊細です。普段から皮膚の様子を見てあげてください。発疹、脱毛、赤み、フケ、べたべたする、カサカサしている・・・などの症状はありませんか??身体を過剰に掻いたりこすりつけたりしていませんか?皮膚病の原因の代表的なものとして挙げられるのがアレルギーです。アレルギーが疑われる疾患には、食物アレルギーやノミによるアレルギーなど色々ありますが、そのうち50パーセントがアトピー性皮膚炎と言われています。
アトピー性皮膚炎
アレルギー性皮膚炎の一つで、もともと体質的(遺伝的)にアレルギーを起こしやすかったり、皮膚のバリア機能が低下し、ダニ(ハウスダストマイト)、カビ(真菌)、花粉などの原因物質が簡単に皮膚の中に入り症状が現れる病気です。かゆみや炎症を抑える治療に加え、アレルゲンの除去、皮膚バリアの補正、患部の洗浄などのスキンケアも重要です。
シャンプーの方法
人と犬とでは皮膚の構造が違うので、もちろん使用するシャンプー剤も犬用を使用してください。シャンプーにも保湿ができるもの、抗菌作用のあるもの、脱脂力が強いものなど色々あり、皮膚の状態により選択する必要があります。
1.準備
あらかじめ道具の準備をしておきましょう。
シャンプー剤・タオル・ドライヤーの他にも、すすぎやあらう時間がわかるよう時計やタイマー、泡立てネットやスポンジなどがあると便利です。特に泡立てネットやスポンジで素早くシャンプー剤を泡立たせ、泡状になったシャンプーで優しくマッサージするほうが、ごしごし犬の皮膚で泡立てるよりも良いので、ぜひ用意してあげてください。
アンダーコートのある子や毛が長い子は、ブラッシング道具も必要です。シャンプー前に、必ず毛玉やアンダーコートを取り除いてからシャンプーを始めてください。
2.湯洗い
25℃~30℃以下のシャワーを使用し、5分くらいかけてしっかり全身を濡らします。
(人間が使用するシャワーの温度では犬にとって熱すぎます。体温が上がりすぎてしまうので注意が必要です。)
3.シャンプー
しっかり泡立てたシャンプーを全身につけて優しくマッサージをするように洗います。皮膚に症状がある場合はその場所から洗い始め、全身にシャンプーがいきわたってから10分程度、皮膚に成分を浸透させるためにおいておきます。
4.すすぎ
脇や内股などのすすぎ残しがないように全身しっかりすすぎます。
この時もシャワーの温度は30℃以下で。
5.タオルドライ
トントンとタオルの上から軽くたたくようにしてしっかり水気をとります。
ドライヤーは皮膚を乾燥させ体温もあげすぎるため、皮膚にトラブルがある場合は特に使用しない方が良いですが、使用する場合は冷風~弱温風で、なるべく短時間ですませてください。