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当院からのメッセージ

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新しい家族を迎える前に

新しい家族を迎えるため、
そしてこれから一緒に楽しい暮らしをするために、
飼い主さんとしての心構えと、
迎える家族のために必要なことを勉強しましょう。
新しい家族となる命を、飼い主さんの責任と愛情で
最後までしっかりお世話してください。

動物を迎える前に

動物を迎えてからのこと

動物を迎える前に

動物を飼う前に

動物は「飼いたいから飼う」、という理由で迎える方がほとんどでしょうが、その前に考えてください。あなたの家族全員が新しい家族として迎え、協力してお世話が出来ますか?家庭で飼育できる動物の多くは人よりもずっと早く歳をとります。小さくて可愛かった子はあっという間に大人になります。それはあなたの想像を超えた大きさかもしれませんし、とんでもないいたずらっ子かもしれません。一生涯必要な予防を続け、けがや病気になれば治療が必要です。高齢になれば体も弱って介護が必要になるかも。

それでも最初と変わらずその子の一生に責任と愛情を持ってお世話ができますか?「飼育放棄」は動物にとって悲しいことです。毎年多くの犬・猫が保健所に持ち込まれ、殺処分されていることをご存知ですか?捨てられる子もたくさんいます。そうにならないようへ、「飼いたいから」だけでなく、できればあなたの暮らしにあった子を選び、ともに楽しい日々をすごされることを願います。

動物との暮らしをハッピーに笑顔の中で過ごしていただくために、飼い主さんとして当然の義務と責任、社会に対してのマナーをお話したいと思います。

動物を迎えるというのであれば、その動物のことを知り、より良い環境を提供し、他の動物やまわりの人・社会に配慮することが大切です。動物を擬人化するのではなく、人とは異なる生体を理解し、愛情と責任を持ってともに暮らしていただきたいと思います。

飼い主さんとしての責任

動物を迎えたいと思われている方へ、その前に考えてください。

命あるものと暮らそうとすることは、その生き物のすべてに責任を持つということです。必要な生活環境、適切な食事、快適な日々のための健康管理や治療など、動物を迎えることにより、飼い主さんにはお金や時間などの負担が生じます。次の項目でチェックしてみてください。もし、「NO」がひとつでもあれば、動物を迎える前にご家族で話し合ってください。その問題が解決したらもう一度、一緒に暮らすことを考えてみましょう。

「飼い主さんへの道」は厳しいものかもしれませんが、心の豊かさなど、動物から受けるものはたくさんあります。そんな動物たちのためにも、良い飼い主さんになれるよう覚悟を持って臨んでください。

チェック1 最後まで一緒に暮らすことができますか
犬の寿命は、小型犬で15~20年、大型犬で10~15年です。猫は15~20年くらい生きます。動物医療も人間並みとなり、昔より長寿になっています。げっ歯類などは比較的短いのですが、カメなど爬虫類はもっと長く生きるものもあります。動物の命も人と同じ。病気になったから、いらなくなったからと、ものを捨てるように簡単に考えないでください。
チェック2 家族全員が迎えることに賛成していますか
動物が嫌いな人、アレルギーのある方はいないですか?もし、あなたが世話ができない時に、助けてくれる人はいますか?迎えるのなら、特定の人が世話をするのではなく、家族全員が世話をするというのがベストです。
チェック3 あなたの住宅は動物を飼えますか?
あなたの住居は動物飼育が認められていますか?アパート・マンション住まいで【飼育禁止】ではありませんか?
一戸建てでも集合住宅でも動物を飼えるスペースが必要です。飼う動物に必要なスペースはありますか?
チェック4 経済的にも負担が増えます。購入代金を払えば終わりではなく、そこから始まる日々の生活費がかかります。
動物も家族。ベッドや専用の場所は必要です。食器や首輪・リード、外出用にキャリーも必要です。そして、毎日の食事は何でもいいというわけにはいきません。動物にあった総合栄養食品のフードがおすすめです。定期的な予防(ノミなどの寄生虫予防や予防接種、健康診断もです。)、病気になったら治療も受けます。動物の治療費がどれくらいかかるかご存知ですか?年老いてからの介護は健康なとき以上に費用がかかります。
チェック5 社会に迷惑がかからないよう、きちんと管理ができますか?

近隣とのトラブルは鳴き声や臭いが最も多くなっています。

動物と暮らす場合は、その動物が社会や他人に迷惑をかけないよう心配りをしましょう。それにはその動物にあった飼育管理と愛情のある正しいしつけが必要です。動物の飼い主さんになることは社会にも責任を持つことです。

近隣とのトラブルは鳴き声や臭いが最も多くなっています。

人と動物の生活環境もずいぶん変わりました。動物の飼い主さん同士、隣人とのトラブルや苦情件数が増加しています。動物と暮らす人は、その動物が他人や社会に迷惑をかけたり、危害を与えたりしないような配慮が必要です。

そのために迎える動物のことを理解し、適切な飼育環境を作ることも大切です。動物と暮らすもそうでない人も住みよい町にしてくために一緒に考えていきましょう。あなたの家族が社会に迷惑をかけない、誰からもかわいがられる存在になるといいですね。

チェック6 動物からの感染症、動物の感染症を知っていますか?
動物を飼うに当たって最も重要な項目です。

犬、猫、ウサギ、馬はコンパニオンアニマル(伴侶動物)と言って動物から人への感染症の管理ができるとされている動物種です。とはいえ、何もしないでいいのではなく、感染症の管理をすれば大丈夫ということです。しかし、その他の動物は、きちんと管理していても人への感染症の予防が十分でないと考えられています。新生児やご年配、ご病気をお持ちの方や免疫機能が弱い方などは、十分にそれらのことを検討して動物種や飼い方を考えなければなりません。

そして、被災してしまったときにそれらの動物たちの健康、環境への感染症対策、逃げ出したり・死亡したときの感染症の責任が自分で負えるかを十分に考えてください。

特に外来動物種が環境に与える影響は計り知れません。

ゾエティスフィラリア.com

動物を飼うということ

(出典・引用)
『愛玩鳥の医学』(学窓社)
EDITED BY Elisha W.Burr
監修 平井 克哉

第2章 ケージおよび飼育環境
ROBERT F.GIDDINGS
訳 柿澤 亮三

家庭で鳥を飼うことは、鳥たちの生活全体をヒトが徹底的に支配することを意味する。

いつどこへ行き来するのも自由であった鳥たちも、ケージの中で飼われることによって、鳥たちは、彼らが“危険な生き物”としていたヒトと常に一緒に生活しなければならない。

また、その生活は完全にヒトの善意によって支配されますが、飼い主が無知である場合には悲劇である。飼育されることによって鳥たちは、多くの敵や飢えや自然の圧力から守られることになる。

私たちはケージの鳥を家の中の目立つところに置き、寄生虫や疾病の手当てをしたり、鳥たちを退屈させないように多くの玩具や楽しみを与える。

また、鳥たちを住みにくい、狭いケージに入れ、栄養的に不完全な食餌しか与えていないのに、鳥が飼い主を自分たちの仲間だと思ってくれることを期待し(ヒトが彼らを一人ぼっちにしてしまったのに)、また鳥たちの心を片時も自由にしてやらないのである。

もし鳥をケージの中で飼うと主張するなら、彼らの物理的なそして心理的な要求が可能な限り満たされていなければならない。セキセイインコやカナリヤのように何世代にもわたって、ケージの中で飼われてきて、拘束されることにならされてきた種にとっても、当然ケージに入れられる時はよりよい状態にしてやらなければならない。

非常に多くの多くの鳥たちが明らかに私たちの飼育のもとで暮らしているという事実は、飼育法が最適であることを必ずしも示しておらず、むしろ鳥の快適さや抵抗力や順応性のたまものであるかもしれない。

原文は1988年に出版された「愛玩鳥の医学」という本の第2章です。
「鳥」を「動物もしくは、犬・猫」 に置き換えてもう一度お読みください。
私は、この文章を初めて読んだときに衝撃を受けました。
私は、この文章を初めて読んだとき、高校時代に読んだ檀一雄著「ペンギン記」を思い出しました。
(ぜひ「ペンギン記」をお読みください!)
この二つの本は、私の「獣医師」としての根幹の一つです。

院長 美濃部

飼い主さんとしてマナーとルール

1.飼い主さんはいつも“マナー”を携帯

良い飼い主さんとは、他の人や社会の迷惑にならないよういろいろなルールとマナーを守り、最後まで責任と愛情を持って動物の世話ができる方です。周囲へのマナーだけでなく、一緒に暮らす動物のことを考えて飼うようにしましょう。

飼い主さんはいつも“マナー”を携帯

外出時、飼い主さんは周りへの配慮を常に心がけましょう。ビニール袋・ティッシュペーパー・スコップ・排便処理専用のグッズなど、飼い主さんが一番処理しやすい方法でお家に持って帰ってください。

飼い主さんが毎日、便の状態をチェックでき、動物の健康状態がわかることにもなります。くれぐれも、処理道具は持っているけど、持っているだけ…なんてことのないようにお願いします。

飼っている動物の外での排泄物は、速やかに飼い主さんが処理しましょう。排泄物だけでなく抜け毛の掃除にも気を配りましょう。特に人・動物とも排泄物は寄生虫感染の原因となります。犬の散歩など屋外での排泄の後始末は必ず飼い主さんがし、お家に持って帰って処理しましょう。動物の排泄物を放置することは、そこで生活する人々に寄生虫など人獣共通感染症の危険があるということです。

猫の飼い主さんも注意を

猫も同じです。猫は勝手気ままが一番だから自由に外出させるというのは間違った考え方です。猫はあちこちで排泄し社会の迷惑となります。日本の公共施設、特に子どもたちの遊び場である公園は危険な状態になっています。公園には飼い主さんに連れられた犬もやってきます。自由に外出する猫もやってきます。動物が好んで排泄する砂場などでは子どもたちも遊んでいます。子どもたちが大好きな砂遊びの場所は寄生虫卵で汚染されることになります。犬も猫も外出する前に排泄を済ませるように習慣づけましょう。寄生虫などの感染を予防するためにも必ず守りましょう。

2.外出はリードで

犬が小さいから、しつけが出来ていておとなしいからと、リードをつけないで散歩をしている飼い主さんがおられます。これは、命綱をつけないで登山しているのと同じくらい危険です。また、犬が怖い人や弱者への配慮も忘れないようにしましょう。
猫ちゃんをどうしても外出させたい場合は飼い主さんや家族が一緒に行きましょう。もちろんリードをつけてです。
リード無しの外出や放し飼いは、周囲に迷惑なだけでなく、動物にとっても大変危険です。迷子になる原因の多くはリード無しの散歩や家から自由に出られるといった、飼い主さんの不注意です。飼い主さんの不注意がかわいい子を危険にします。“この子は大丈夫”と思う飼い主さんは多いでしょうが、外出先ではどんなことが起こるかわかりません。急に走り出して事故にあうこともあります。あとで後悔しないためにも、動物を怖いと思う人のためにも、外出時は必ずリードをしてください。

飼い主さんが注意すること

3.健康を考えた飼い方を

動物も健康管理が必要です。一緒に暮らす動物についてのアドバイスや診療ができる動物病院があるか調べ、新しい家族を迎える前に相談しましょう。愛情を持って動物に合った飼育管理をすると健康で楽しい共同生活が送れます。それには、

  • 正しい食事を提供する
  • 動物にあった生活環境を提供する
  • 毎日の健康管理をきちんとする

健康を考えた飼い方を

●人も年に一度の健康診断や人間ドックが推奨されています。成長期や更年期以降は特にです。ものを言えない家族だからこそ、定期健康診断やわんにゃんドックで健康管理をしてあげてください。そのためにもかかりつけの動物病院を。

犬や猫は人間と比べて大変早く成長します。成長に合った健康管理は動物にとって大切なことです。犬や猫は5歳を過ぎると疾患が多くなります。また感染症にかかると命を落とすこともあります。しかし、飼い主さんの愛情と責任で予防できたり、進行を遅くすることができます。予防できる病気の予防接種(犬の混合ワクチン・猫の混合ワクチン)や寄生虫駆除はかかりつけの獣医師と相談しましょう。

犬のワクチン.com

犬のノミ・ダニ.com

ねこを守ろう。

4.社会化(しつけ)

犬の場合は、しつけが大切になります。「社会に迷惑をかけない飼い主さん」になるには一緒に暮らしている動物の社会化(しつけ)が大切です。 → 犬の場合は、社会化(しつけ)が大切になります。しつけは叱ることではありません。犬が正しい行動をした時に褒め、犬が自ら人の生活のルールやマナーにあった行動をするようすることで、「社会に迷惑をかけない飼主さんとわんちゃん」になりましょう。

5.犬の飼い主さんは一生に一回の飼い犬登録と毎年の一回の狂犬病予防注射を!

―大切な家族を守るための最低限の大切な義務です。―

狂犬病の予防注射は毎年1回、継続して地域の集合注射会場か動物病院で受けましょう。獣医師会に所属している動物病院であれば、役所に行かなくても登録済証・済票の発行ができます。(ただし同市町村内に限ります)
狂犬病予防接種は日本で犬を飼うために、必ず守らなければならない法律です。50年以上にわたり、日本では狂犬病が発生していません。しかし日本の現状は、狂犬病の脅威にさらされています。いつ、狂犬病が確認されてもおかしくない状況なのです。狂犬病予防注射を拒否するのであれば、日本で犬と暮らすことは原則的にできません。

  • 狂犬病予防接種
  • 生涯1回畜犬登録

犬の飼い主さんは、生後91日を過ぎたら、各市町村へ登録の申請をする義務があります。現在は終身登録制のため、初回の登録を済ませておけば、翌年以降改めて更新する必要はありません。ただし、飼い主さんの住所変更や犬の死亡時には届出が必要です。

6.迷子の防止に

迷子にしないで

犬は飼犬登録の鑑札と狂犬病予防接種済票を必ず首輪につけましょう。犬と暮らす人に対し法律で定められた必要最低限のルールです。そして犬を守るためのものでもあるのです。天災や予期せぬ事故などのとき飼い主さんのところに戻って来られないといった不幸を回避することができます。迷子になっても迷子札をつけていると無事に戻って来る可能性が高くなりますし、万一事故に遭っても、飼い主さんと早く連絡をとることができます。猫や他の動物も同じです。首輪に名札や迷子札をつけ、飼い主さんの名前・連絡先がわかるようにしておきましょう。
皮下に埋め込むマイクロチップは飼い主さんやその子の情報が記憶されており当院もおすすめしています。

7.望まない子を増やさないためにも、去勢・避妊を

不幸な動物を作らないために、育てることができないなら去勢・避妊手術を受けさせましょう。自然だからという理由で産ませるのは動物にとって不幸なことです。遺伝子疾患を持っていることを伝えられずに迎えられて、後になって高額な治療費が必要になり悩まれる飼い主さんも珍しくありません。不幸なのら犬・のら猫を増やさないためにも、責任を持って新しい命を育てる自信がないのであれば、むやみに交配をさせたりはしないでください。

望まない子を増やさないためにも、去勢・避妊を

『去勢』『避妊』は、動物にとって可哀想なことではありません。むしろ望まれずに生まれてきた子や飼えなくなったと捨てられる子の運命を考えれば、ずっと幸せなことです。
また、早期に去勢・避妊手術をすることで、多くの病気を予防することができます。

8.日々の暮らしで注意!

身近な危険物

好奇心の強い動物たちは目についたもの、そこにあるのもを舐めたり触ったりして確かめます。人と一緒にくらす中では動物にとって危険なものがたくさんあります。室内でも室外でも、飼い主さんが注意しないと中毒を起こしたり異物を食べて腸に詰まったりと最悪死亡することもあるのです。
器用な動物は、机の上に昇ったり、ゴミ箱をひっくり返したり、扉を開けたりします。予想外の行動をしても安全を確保できるようにご家族で気を付けて下さい。

熱射病・日射病

犬はパンティングすることで体の熱を出し、体温を調整します。人間は発汗することで体温を調整しています。もちろん犬にも汗腺はあります。ただし、足の裏のパッドにだけです。
暑くなってくると口を開け、舌を出して苦しそうにあえいでいますが、これがパンティングです。でも、あまりに暑いとこれだけでは体温調整が上手くできず、体温が上昇して行きます。毛皮を1年中、身に着けているのですから保温は得意ですが、熱を逃がすことはとても苦手で、一度上昇した体温はなかなか下がりません。この状態になると熱射病になり、すぐに体温を下げなくては命に関わる緊急事態になります。
日射病や熱射病は飼い主さんの不注意による事故です。くれぐれも注意を怠らないようにしましょう。

大阪府北摂地域市民セミナー 最後まで飼うために

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